プラモデルの墨入れ方法の極意を伝授!ペン使用時の注意点は?
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◆プラモデル 墨入れとは
プラモデルで言うところの「墨入れ」とは、車のボンネットや宇宙船のハッチなどが開かない状態のものをあたかも「開きますよ、別パーツで作っていますよ」といった感じでよりリアルに見せる表現方法です。
そのスジ彫りに薄めた黒系の塗料を流し込んでリアル感を出します。
この「墨入れ」をするとしないでは、見た目のリアル感が全く違います。
慣れたらとても簡単な手法で簡単にリアル感が増すので、ぜひトライしてください。
◆プラモデル 墨入れ方法の基本
すでに塗装された部分の溝に墨入れする場合は、必ずその塗装を溶かさない別の種類の塗料を使ってください。
例えば「ラッカー塗料で塗った上に水性塗料で墨入れをする」などです。
最初にサラサラに薄めたつや消し黒の塗料を細い筆に含ませ、墨入れしたい溝に筆の先端をそっと置くと、そのままスッと塗料が入っていきます。
溝の長さが長い場合、はみ出ても良いので溝全体につや消し黒が行き渡ったところで乾燥させた後、うすめ液を含ませたティッシュや綿棒ではみ出たところを優しく拭き取れば完成です。
溝が浅い場合、溝の中も一緒に拭き取ってしまう事がありますが、その場合は一度拭き取って最初からやり直しましょう。
墨入れをしたいプラモデルの縮尺によっては墨入れが太く見えてわざとらしい感じに見えてしまう場合があります。
その時は黒ではなくグレーにしたり、流し込んだ後に少し残るぐらいに拭き取って細めに表現してください。
特に宇宙船などの表面の分割パネルのスジ彫りが多い場合は、幅の広い大きめの刷毛を用意し、一気に塗って余分なところを拭き上げたりします。
何回かトライしたら感覚が掴めてきますのでがんばりましょう!
◆プラモデル 墨入れのタイミングと注意点
墨入れをしたい表面の加工・塗装が終わった時、もしくはプラモデルの完成直前の、取れそうな細かいパーツやクリアパーツなどが付いてない段階か完成後に墨入れをします。
注意をしなければいけない事は「墨入れしないといけない部分は全てに入れる」事です。
例えば車のボディに墨入れをする場合、ドアとボンネット・トランクは墨入れしたけど「バンパーと給油口に墨入れするのを忘れた」となりますと、一気にリアル感がなくなってしまいます。
墨入れする部分はどこにあるか、よく見回して確認してから墨入れをしましょう。
◆プラモデル 墨入れペン使用時の注意
墨入れペンは初心者には便利かもしれません。
ただ、市販されているものは色が5~6色しか選べませんので「それでもよければ」という事になります。
まず、塗装した部分の溝にペンを使用する場合は、必ず影響がない部分で塗料との相性を確かめて、先に塗った塗料が剥げないのであれば大丈夫でしょう。
ペン先が太いので、流し込む部分が必ずはみ出ますから、はみ出た部分を拭き取る必要があります。
流し込む溝が長い場合、何度かに分けてペンを当てて流し込む事になるのですが、どちらにしても流し込んだ後に溝に流れた量が多い部分は太く、少ない部分は細くなっていますので、平均的に拭き上げて調整する必要があります。
はみ出た部分はプラスチック消しゴムで消すようにゴシゴシすると取れるものもありますので便利ですね。
しかし、あまり擦り過ぎたら下の塗装を痛めてしまう恐れがあるのでゆっくり丁寧に作業を進めましょう。
とにかく墨入れは「最後の工程」に近いものなので、ここで失敗したら全てが台無しになります。
初めての方はプラバンにカッターナイフで溝を付け、踏み入れしたいものと同じ条件の塗料で塗装した上に試験的に確かめてみると失敗する可能性が低くなります。
早く完成させたい気持ちをグッと抑えて、落ち着いて作業をしてください。
◆墨入れのコツ!スターウォーズなどの宇宙船の場合
SFといえばスターウォーズ。
スターウォーズに限らすどのSF映画に出てくる宇宙船などのプラモデル全てに言える事ですが「個体は1つではない」ということです。
例えばスターウォーズに出てくる「ミレニアム・ファルコン」で言いますと、劇中の宇宙空間を飛んでいる機体は撮影の状況により何種類かの大きさのものを複数作っている場合があるのと、エピソードによって機体の一部が変化している場合があります。
もちろん、その模型によって少しずつ汚しや墨入れが違いますので、映像や資料を集めて研究する必要があります。
車のプラモデルのように溝が少ししか無いものとは異なり、SF系プラモデルは「溝だらけ」です。
その場合はある程度の汚しも一緒にできる「ウォッシング」という手法を使います。
ある程度完成に近づいてクリアパーツを付ける前などに、ものすごく薄めたつや消し黒を100均の蓋が閉まるビンなどにある程度多めに作っておいて、幅が3~5cmぐらいの柔らかい「ハケ」を用意し、薄めたつや消し黒を含ませ一気に全体に塗ります。
(※購入直後のハケは抜け毛がある場合がありますので、使用する前に一度よく洗い、抜け毛を洗い流した後に完全に乾かしてから使用しましょう。)
すると、あらゆる溝に一気に染み込んでくれます。
乾いた後に濃くなったパネルを軽く拭き上げれば完成です。
この方法で墨入れしたい溝以外にも塗ってしまうことになるのですが「薄ければついでに汚しもした」と思えば拭き取る必要はありません。
この「ウォッシング」は「必ず!雨だれなどの汚しをする前!」にしてください。
そうしないと、ハケで全体を塗った時に汚しまで溶かしてしまう事になるからです。
「墨入れが済んでから汚しをする!」は守りましょう。