プラモデルの塗料 重ね塗りの注意点!塗料の相性とタイミングが命!
◆プラモデル塗料「ラッカー」「エナメル」「水性塗料」の違い
・「ラッカー塗料」
「ラッカー塗料」はシンナー系の、乾きが速い塗料です。
筆は専用溶剤で洗う(換気注意)。
匂いがキツイですが、乾くと固く強いです。
昔から使ってるからか私は使いやすいです。
塗っていると次第に乾き始めるので素早く塗りましょう。
溶剤で少し薄めてサラサラにしてよくませてから塗ると良いでしょう。
・「エナメル塗料」
「エナメル塗料」は樹脂系の、乾きが遅い塗料です。
筆は専用溶剤で洗う(換気注意)。
顔料が空気と反応しとてもゆっくり乾きますので私は指紋が付くのを恐れ私は2~3日触りません。
程度にもよりますが筆塗りした後、少し塗りムラがあっても乾くにつれ少し張って少し目立たなくなるかもです。
とにかくエナメル塗料は乾きが遅いので乾くまでホコリカバーをした方が良いです。
目立たないところに同じように一部塗って、固まったか触って確かめてみましょう。
・「水性塗料」
「水性塗料」は、文字通り水で薄められる塗料です。
少し匂いがしますが、換気をするほどでは無いです。
もちろん専用溶剤はあります。
塗料を水で薄められますが、乾きが遅くなり本当に水っぽくなるので注意が必要です。
濃度の加減がわかるようになったらチョイ塗りには便利かも。
筆が水で洗えるのが便利です。
子どもには安心かもしれません。
完全に固まったら専用溶剤でないと溶けないので注意しましょう。
基本的にこの3種類の塗料を使い分けていくのですが、今後の模型製作の出来栄えが変わってきますので、それぞれの特性を知るために購入して試してみて、しっかりと把握しておくと良いと思います。
◆重ね塗りには塗料の相性を考慮する
あくまでも私の場合ですが、例えば車を作るとしましょう。
まずボディは「ラッカー系缶スプレー」で塗装します。
ラッカーの塗装が完全に乾いたのを確認後、窓枠をつや消し黒で塗るとします。
その時私は主に「水性塗料」を使っています。
水性塗料はラッカー塗料を溶かすことが無いので窓枠を塗っている時に下地のラッカー塗料が溶け出しません。
その上、ついはみ出してしまってもすぐに水を含ませたティッシュや綿棒で拭き取ることが可能ですのである程度やり直しがききますし、初心者にとっては水で拭けるので怖くない。
作業の前に水を入れた容器を用意しておけば安心です。
さて、窓枠を塗り終え乾燥したとしましょう。
ここからは裏技ですが、多少はみ出たりしているはずです。
そこは落ち着いて、綺麗な刃のカッターナイフでボディの塗装にキズがつかないように、ゆっくりと落ち着いてはがします。
カリカリと「パリッと剥がす感覚(ラッカー塗料の上に水性塗料がへばりついている感じ)」で削り落とす(剥がし落とすとも言うべきか?)とさらに綺麗に仕上がるでしょう。
水性塗料が少し大きく剥げすぎる場合がありますが、根気よく細い筆で丁寧に修正しましょう。
プラバンなどに同じように塗ってみて確かめ練習してみましょう。
私は「エナメル塗料」は使う頻度は少ないですが「艶消し感」を求めたい時に使います。
例えば車で言うところのシートなどです。
もちろん窓枠にも使う時はあります。
乾きは遅いですがコッテリと乗って良い感じになります。
ただ、シートの部分の質感によって「艶のある革」「艶のない革」「艶のあるビニールレザー」や布など複数の材質で張られたシートがあるので、どの塗料がどの部分に適切であるか確認してからにしましょう。
私は完成後に、ボディのウラが見えておもちゃっぽくなりそうな時、内側をブラックアウトする時や汚しを入れる時に使用しています。
このようにそれぞれの塗料の特性と相性を把握し使い分けることで、同じ特性の塗料のみで作るよりも一段と綺麗に、腕が上がったかのような仕上がりに感じるはずです。
◆塗料の乾燥時間と重ね塗りするタイミング
上記でも少し書きましたが、それぞれの塗料の乾燥に時間差があります。
大前提として「とにかく完全に乾いたか念入りに確認してから」です。
プラモデルの製作中の、塗料が乾くまでの時間が一番待ち遠しいものですよね。
乾かないからといって、絶対にドライヤーや陽に当てたりしないでください。
揮発中のシンナーや水分が塗料の中で泡となりブツブツが発生する場合があります。
一番恐ろしいのが、ドライヤーの熱による「プラスチックの溶け」です。
綺麗に塗装まで終わって乾くのが待ちきれなくてドライヤーで乾かしてたら、ボディが溶けて一発で廃車にしたことがあります(泣)。
なので乾くまで辛抱強く待ちましょう。
乾くまで他の部品を先に塗装・加工すると気が紛れますよ。
ところで乾くスピードが早い順ですが、1位ラッカー、2位水性、3位エナメルです。
季節や薄め加減によっても乾燥時間は大幅に変わりますので本当に気をつけましょう。
仕上がりが左右される大事な部分です。
それぞれの塗料に同じように言えることですが、触ってみて「あ!乾いた!」と思って安心し、持った後置いたらしっかりと指紋が付いていた!ということがあります。
他に注意することは、プラモデルのメーカーによってプラスチックの質に差があり、シンナー系が弱いプラがある場合もあるので、特に高額・希少なプラモデルに関しては、ランナーとか未使用部品などに試し塗り・重ね塗りをしても大丈夫か?をお勧めします。
◆筆塗りとエアブラシの使い分け
あくまで私の場合は基本、クルマなりメカのボディ(本体)のベースや、広い面積を均一に綺麗に塗らなければいけない塗装以外は経験値にもよりますが全て「筆塗り」です。
ほぼ全てエアブラシで塗装される方もいらっしゃいますが、それをするには私だけでなく「エアブラシを使える設備があるか・環境であるか」や「面倒くさがり屋」は大変でしょう。
例えば、車のエンジン・ミッション表面をシルバー系で塗るとします。
その場合私は筆で塗って、本当に乾くギリギリの時にその乾く寸前の筆先をバラして細かく突くようにして表面を荒らして鋳造ぽくしたりしますので、エアブラシの必要性が無いのです。
ただ、スケールが大きいキットなどは、それぞれの部品が絶対的に大きいので、いくら見えない部分とは言え、部品自体が大きいのでエアブラシかスプレーでムラ無く塗装するしかなくなってきますね。
作る人の気持によりますが、作ろうとするスケールのキットにどこまで思いを入れるか?にもよるかと思います。
ただ「エアブラシのエアブラシにしか出来ないこと」があります。
それは「色の調合」です。
市販の塗料では出せない微妙な色が調合することによって出せる、作るものによっては、微妙なグラデーションが表現できるという事でしょうか。
ただ、エアブラシを使うにあたって道具の調達に金額が掛かる、テクニック・塗料の調合の熟練的な技術など、金銭面や習得をする事が沢山あります。
作るものに対してどこまで「こだわり、思い入れられるか?」かもしれませんね。